【麻雀】完全先づけルールの解説
完全先づけとは
麻雀,特に三麻では「完全先づけ(完先)」ルールを採用する事が多い.
ただこの完先というルール,ちゃんと理解している人は少ないのです.
このルールについてちょっと解説します.
1.翻牌バックの禁止
上記のような「最終的な役とは関係のない牌」を鳴いた場合,發で和了ることはできません.
先づけはこのように「第一鳴きが役に関係する」鳴きでなければなりません
2.すべての待ち牌に役が無ければならない
4ソウは断ヤオですが,1ソウでは役がありません.
よって4ソウで出和了することはできません.
しかし,門前であれば「門前ツモ」という役があるのでいつでもツモることは出来ます.
3.王手飛車
發:翻牌(發) 中:翻牌(中)
このように門前で且つすべての待ち牌に役がある場合,完全先づけルールでは厳密では和了れませんが,「門前王手飛車有り」のルールでは特例でそのまま和了る事が出来ます.雀荘のルールにはほぼ明記されています.
4.一気通貫
完先ルールでは一気通貫に関して誤解が多いので解説します.
これはもちろん3ソウは役がないので6ソウが出ても和了れません.
このように一気通貫はこれで役が確定していると定義されています.よって門前でなくても5ソウであがる事が出来ます.
三麻雀荘のルールの解説
三人麻雀店のルールの見方
三人麻雀をしに雀荘に行こうと思ってHPでルールを見てみるも,雀荘慣れをしていないと何を言っているのかわからないと思います.
大手雀荘のチェーン店であるまーちゃお(オミクロン)店を例に解説します.
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・返し:3万5千持ち・4万点返し、喰いタンなしの先ヅケ
(字牌の王手飛車は門前時のみ有効)
【解説】
持ち点35,000点で半荘終了時40,000点をもっていないとペナルティがあります.
完全先づけルールです.これは非常にややこしいので別途解説します.
・花牌:4枚入ってます。
空気扱い(一発や天和などは消えず、捨てることはできない)
【解説】
は抜きドラでは無く,花牌が四枚入っています.
は抜いてもポンやチーのように"鳴き"ではなく一発は消えません.同じくを抜いてそのままツモっても嶺上開花は付きません.
店によってはを河に安全牌として捨てるルールもありますが,まーちゃおでは採用していません.
・役満 普通の役満+人和・マンズの混一・流し役満・大車輪(清一七対子)で ダブル役満は複合していてもシングル役満扱い
【解説】
特殊役満を採用しています.
- 人和・・・子が第一ツモをツモる前に,和了する.
- マンズの混一色・・・そのままの意味です.マンズの混一色は役満扱いです.字一色ももちろん役満ですが,マンズが混じっていても役満になります.非常に成立しやすい役満の一つです.
- 流し役満・・・四人麻雀でいう「流し満貫」です三麻では流局自体稀が稀なので,流しも役満として扱います.
- 大車輪(清一七対子)・・・そのままの意味です.清一七対子は役満です.四枚使い七対子も採用しているので出現率は高いです.
・数え役満:14ハンから
【解説】
四人麻雀は13ハンから役満扱いとするルールが主流ですが,三麻は1ハン多い14ハンから役満です.なぜかはわかりませんが,ほとんどの雀荘で採用されています.
・国士無双:暗槓ロン・フリテンロンはできません
【解説】
そのままの意味です.国士無双でも特例は認められていません.
・その他特殊役:なし(四連刻・三連刻・小車輪・三風など)
【解説】
- 四連刻:連続した4つの数牌の刻子を含む.採用されれば普通役満です.
- 三連刻:連続した3つの数牌の刻子を含む.採用されれば普通2ハンです.
- 小車輪:混一色七対子.採用されれば普通6ハンです.
- 三風:の内3つの刻子を含む.採用されれば普通2ハンです.
・ツモ損:なし
【解説】
倍払ルールを採用しています.
・本場:1本場につき1000点
【解説】
倍払ルールを採用しています.
・連荘:親は東場テンパイ連荘、南場ノーテンでも連荘
【解説】
南場は親がノーテンで流局しても,局は流れません.
・0点:ちょうどはトビ(1000点持ちでリーチ可ですが、その局収入がなければ トビになります)
【解説】
そのままの意味です.
【解説】
同じ牌を4枚あっても2組の対子として扱うことができます.
この手牌の待ちはになります.
・ダブロン:あり(供託・本場は上家取り)
・4万点未満:終了時、全員が4万点未満の場合はかえり東でサドンデス
【解説】
南4終了時,誰かが40,000点を超えるまで再び東場を続けます.
・フリテン:リーチは流局後チョンボ。フリテンツモは同巡でもあり。
【解説】
三麻ではフリテンリーチを禁止しています.
リーチさえしなければ通常のフリテンのルールに従いますが,フリテンのリーチ,およびリーチ後の見逃しはチョンボの対象です.
・起家:回り親
【解説】
半荘終了後,次の起家は反時計回りで回します.
・パオ:役満のパオは全額責任払い
【解説】
大三元・四喜和・四槓子を確定させ和了られた場合は,ツモったとしても確定させた人が全額払う.
・和了り止め:オーラス時、トップの場合は強制終了。(流局の場合は続行)
【解説】
2位の和了やめは禁止.トップの場合は連荘禁止.
・チョンボ:親も子も8000オールの支払い
・暗槓:リーチ後の暗槓は任意。
(リーチ後、メンツ構成が変わっても待ちが変わらなければOK)
【解説】
リーチ後の暗槓を強制するルールもあります.まーちゃおでは自由です.
・形テン:なし
【解説】
・空テンリーチ:あり(チョンボにはなりません)
【解説】
待ち牌が河にすべて見えていても,リーチをかけることができます.
禁止するルールがほとんどだと思います.
・ツモピンフ:なし
【解説】
平和をツモっても平和という役は付かず,30符で計算します.
・空ポン:1000点罰符
【解説】
誤ポンとも言います.間違えて"ポン(カン)"といった場合は取り消して場に1,000点を置きます.その1,000点は次に和了ったものが獲得できます.
・リーチの解消:リーチ解消後はリーチかけ直しで和了れます。
仕掛けて和了るのはNG
【解説】
間違えてリーチの発声をした場合は取り消しできます.ただし,この局その手を和了るにはリーチをかけなければなりません.仕掛けやダマでツモることも禁止です.
・符計算:あり。1000点未満は切り上げ
【解説】
符計算自体採用していないルールが存在します.通常通り計算するのでわざわざ書いてあります.
・同点時:起家に近いほうがトップ
【解説】
半荘終了時,同着がいた場合は起家に近い人がトップになります.100点単位切り上げのルールなので,同着は頻繁に発生します.
・少牌、多牌:和了り放棄。花牌での取り忘れについては修正可能な限り修正します
・チェック:見せ牌・コシ牌はなし
【解説】
牌を誤って溢してしまった場合,厳しい店では「その牌では和了れない,鳴けない,待ち構成に含む事が出来ない」などと言ったルールが存在することがあります.ここでは採用していませんが,牌は溢さないようにしましょう.
(雀サクッ参照)
赤ドラと花牌
赤ドラと抜きドラ
赤ドラ
これは三人麻雀に限った話ではありませんが,雀荘によっては赤ドラの枚数が大きく異なる場合があります.
大阪にあるメジャーな三人麻雀店で使用する牌です.
慣れていない方なら驚くと思いますが,赤ドラを8枚使うルールを採用している店が多いです.
「全赤(ぜんあか)」と言います.
三麻はただでさえ打点が高くなりがちですが,この「全赤」ルールなら満貫は当たり前,数え役満も珍しくありません.
三麻が謙遜される原因になっていますが,競技として非常に刺激的なので皆さんもやってみてください.
オンラインゲームでは筒子,索子ともに一枚ずつ入れる「各1」ルールが主流のようです(私調べ).
抜きドラ
抜きドラとは,手組とは関係なく,引けば即ドラになる便利な牌です.
抜きドラを引いたら晒して(ポンやカンした牌のところに置く)一枚嶺上から補充します.
他のドラとは違い一切邪魔にならないためたくさん引ければチャンスということです.
を抜きドラにするか花牌(写真)を抜きドラにするかはルール次第です.抜きドラ自体採用しないルールもあります(MJオンラインは採用してません).
実力は関係するのか
赤ドラや抜きドラでインフレ化してしまったこのルールですが,実力なんてあるのでしょうか.
結論から言うと,完全な「実力ゲー」です.
慣れていないとまず勝てません.
四人打ちはドラが少ない分,「手役」で手を高くします.三色やタンヤオ,チャンタなどを狙うために手を崩したりしますよね.
一方,三人打ちの打点は「ドラ」で作ります.「ドラが有るか無いかは運じゃないの?」という疑問が生まれますが,これは「相手の打点が読み易い」という事です.ドラの数は有限ですからね.ドラが自分のところに来ないということは,相手のところにたくさんある事を意味しています.つまり「勝負する場面,勝負から降りる場面」がより明白に判断できます.
よく「三麻は押し引きが重要」と言われますが,この所以は相手の手を読み切ることが容易なためから来ています.
四人麻雀と三人麻雀の違い3
チーができない
地域で異なりチーができるルールも存在するが,基本的に関西の雀荘,およびオンライン麻雀ゲームではチーを採用していません.
四人麻雀に慣れている人が三人麻雀をすると途端に勝てなくなるのはあるあるネタですが,それは"チー"が出来ないことから生じる「手順の進め方の定石」が異なるためです.
三人麻雀は四人麻雀とは「別ゲー」と言われる所以はここにあると思います.
三人麻雀では"チー"ができない
"北"牌の扱い
三麻では北家がいないためは四人麻雀とは異なり,特殊な牌として扱う場合が多いです
扱い方 | 詳細 |
---|---|
翻牌 | と同じく刻子にすることで役になる.MJで採用 |
抜きドラ | 抜きドラとして扱う※.天鳳で採用 |
オタ風 | ただの字牌 |
※「抜きドラ」というルールに関しては,記述する内容が多いため別途記述します.
個人の好みもありますが,「抜きドラ」として扱うルールが多い印象です.
- ポイント:は翻牌,もしくは抜きドラとして扱う.
四人麻雀と三人麻雀の違い2
持ち点
三人麻雀では持ち点が35,000点からスタートします.
三麻では高打点が出やすいため,25,000点では勝負が決するのが速くなってしまうため,バランス調整と思ってください.
雀荘では写真のうように100点棒を使わない事が多いです.
三麻はスピード感が売りなので,点数の支払いも細かい100点単位は切り上げて.
オンラインゲームではコンピューターが自動で計算してくれるので,100点単位まで計算するルールが採用されていますね.
三人麻雀では持ち点35,000点でスタートする
点数計算
プレイヤーが一人少ないことで,ツモの点数計算が通常の四人麻雀とは異なります.
親と子,点数の分け方にも様々なルールがあります.
ルール名 | 支払い(子/親) | 計算方法 | |
---|---|---|---|
倍払 | 4000/8000 | 親が点数の2/3を払う | 主な雀荘で採用 |
3:5払い | 4500/7500 | 子と親で3:5で払う | MJで採用 |
ツモり損 | 3000/6000 | 四人麻雀の点数通り払う.子一人分少ない | 天鳳で採用 |
1000点加付 | 4000/7000 | ルール「ツモり損」の100点単位を繰り上げて,1000点を加える. | 雀荘でまれに採用している |
完全折半 | 6000/6000 | 親・子で半分づつ払う |
倍払の点数計算は記述する事が多いので後に説明します.
点数の払い方は倍払が主流.
四人麻雀と三人麻雀の違い1
四人麻雀と三人麻雀(三麻)の違い
遊ぶ人数
まず四人麻雀と三人麻雀の違いですが,当然同時に対局する人数が異なります.
四人麻雀では四人で,三人麻雀は三人で行います.
一般的な麻雀は四人で行いますが,四人の麻雀の打てる人(メンツといいます)が集まるのは難しかったりします.三人しか集まらない場合に仕方なく三麻を打つ事が多いのではないでしょうか.
三人麻雀にもコアなファンがいます.特に関西圏では四人麻雀より三人麻雀専門の雀荘のほうが多いほどです.
オンラインゲーム「MJ」「天鳳」「真・雀龍門」などでも三人麻雀で遊べます.
ルールの中には四人でする三人麻雀もあります("北抜け"といいます).詳しいルールは別記事に記載します.
三人麻雀は三人,もしくは四人で遊べる
使用する牌
四人麻雀と三人麻雀では使用する牌の種類が異なります・
- 四人麻雀
- 三人麻雀
三人麻雀では~は使用しません.
牌の種類が少ないことはが三人麻雀の一番の特徴ともいえます.
牌種が少ないことでより手が整い易く,スピード感が出ます.
>は花牌と呼ばれる牌で,春夏秋冬の文字が書かれているものが一般的です.この牌を採用するかどうかはルール次第ですが,花牌についても後日記述する予定です.
三麻は牌の種類が少なく,手が整いやすい